モノイド

群の公理のうち, 結合律と単位元の存在は満たすものの, 必ずしもすべての元 (要素) に対して逆元が存在しない代数的構造をモノイド (monoid) という. なお, さらにここから単位元を取り払うと半群 (semi-group) とよばれる構造となるが, ここでは半群についてはこれ以上言及しない.

整数によって類別して得られた同値類に整数の乗法を定めることでモノイドをなす.

単位元は, となる, すなわちで割って余る数である.

実際, で割って余る数との積は,

となり, 乗法について単位元となっていることを容易に確認できる.

また, 乗法は結合的である. これは整数の乗法が結合的であることから明らかである.

しかしながら, となるは何と積をとっても, となってしまうため, 逆元は少なくともに対しては存在しない. このことは, で割り切れる数とはの倍数であり, の倍数に何をかけてもの倍数となってしまうことから理解するのは容易い.

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